外貨建て債券の為替手数料の高さに注意

為替手数料の高さに注意

たとえばトルコリラ建ての債券を見ると、利率は年10%と非常に高いのですが、問題は為替手数料も高いということです。

 

1トルコリラ=60円として、その為替手数料は売り買い往復で、1トルコリラあたリ5円もかかります。ということは、為替手数料を率に換算すると、何と8.3%にもなるのです。いくら利率が10%だとしても、為替手数料で8.3%も差し引かれてしまったら、高金利の意味がまったくなくなってしまいます。とくに保有期間が短いほど、為替手数料の負担は重くなります

 

したがって、高金利通貨国の債券に投資する場合は、信用リスクの問題はありますが、償還までの期間が長いものを選び、できるだけ償還期日を迎えるまで保有し続ける必要があります。仮に保有期間が10年であれば、1年あたりの為替手数料の負担率は0.83%まで低下しますから、利率が年10%だとすると、実質的には年9・17%の利子を受け取れることになります。

 

ただし、長期で保有するほど、その途中で何か不測の事態が生じ、元利金の支払いが滞るリスクが高まってきます。この手の信用リスクを軽減させるためには、高金利通貨国が発行している債券を購入するのではなく、たとえばウェーデン地方金融公社や国際復興開発銀行、アジア開発銀行といった、信用力の高い発行体が発行している高金利通貨建て債券を購入することです。最近、発行されている高金利通貨建て債券は、基本的に信用力が高い国際機関を発行体とするものが中心です。